一昨日は酒田市日吉町にある良茂山持地院さんで行われる法要をライブ配信してきました。持地院と言えば、あの酒田大仏がある由緒ある曹洞宗の寺院としてとても有名です。創建は応永2年(1395年)と古く、随所に歴史を感じることができます。当社で法要の様子をライブ配信するようになったのはコロナ禍になってからですが、今回は「春彼岸会供養」に加えて「吉野弘さんの詩をよむ」会も一緒に行われました。
吉野弘さんは酒田市出身の詩人で、随筆や評論も手掛け、詩の魅力や詩作法・技術論から詩的感動の原点とは何かという問題にまで論を進めた評論『現代詩入門』が著名です。また、持地院の寺名は「持地菩薩」、すなわち「地蔵菩薩」に由来します。門前には六地蔵、境内には多数の石仏が祀られていますが、吉野さんには、六地蔵による魂の救済を描いた「六体の石の御仏」や「石仏ー晩秋」「草」などの名作もあります。※持地院さん提供資料より
さて今回は、持地院寺報「境内と庭園」に7年間にわたって掲載された佐藤晶子さんの「吉野弘さんの詩をよむ」の連載完結を記念して、酒田市出身の詩人、吉野弘さんの名作の数々を、「宝の日朗読会」の主要メンバーである阿蘇孝子さんの朗読と佐々木正さんのギター演奏・歌唱によってご紹介する朗読会が開催されました。本来であれば3年前の春彼岸会向けに企画されたイベントでしたが、コロナ禍のために実現できずにいました。それが収束しつつある今、今年の春彼岸会供養の法要と一緒に行われることになったようです。
午前10時からの配信に備えて、8時30分過ぎから準備を開始します。この日はWBC準々決勝で、侍JAPAN対メキシコ戦が朝8時から行われていました。そのため訪れる方はやや少ないと懸念されていましたが、もうすでに駐車場は混雑。朗読会のご3名はすでに会場入り。我々はやや出遅れた感もありましたが、さっそく準備に取り掛かります。
10時ちょうど。「吉野弘さんの詩をよむ」朗読会からライブ配信スタートです。詩の朗読会は「酒田詩の朗読会」が主催です。
約50分間の朗読会が終わり、春彼岸会供養の法要が始まる11時まで少し休憩時間です。この間も、固定カメラに映像と音声を切り替えて配信を続けます。一方で、カメラやトランスミッターなどのバッテリーを交換したり、機器接続の確認をしたりと、裏方は休む暇はありません。
「春彼岸会供養」はこれで終わりですが、大滝住職の説法があります。今回は、仏教用語として使われる言葉を分かりやすく教えていただきました。しかも本来漢字である言葉を英訳し、さらにその英語を身近な言葉で意訳することで、ぐっと分かりやすく教えていただきました。この発想!普通はありえないと思い、せっかくなのでその時のフリップを文字にしてみます。
- 一切皆苦(いっさいかいく)
この世はすべてが苦しみである
Life is a bumpy road ~ 人生はでこぼこ道だ - 諸行無常(しょぎょうむじょう)
この世のすべては無常である
Life is impermanent ~ 人生は変化し続けている - 諸法無我(しょほうむが)
この世のすべては本質的な実態はない
Life is interdependent ~ 人生は持ちつ持たれつ - 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)
涅槃は穏やかで安らかである
Life can be great ~ 人生は素晴らしいものにできる
約5分と短い時間での説法でしたが、大滝住職らしい(と言っては失礼かもしれませんが)ユニークな内容に参列された方々も驚いていました。
今回も無事にライブ配信できました。檀家の方々は、寺院に足を運ぶのが容易ではない方だけでなく、海外に住んでおられる方からもご覧いただいているようで、感謝のメールが大滝住職に届くことも少なくないようです。
YouTube配信は閲覧制限があるためここでは公開することはできませんが、澄み渡った空気感と凛とした緊張感に包まれて終始しました。また写真には写っていませんが、配信用にパソコンを3台使用しています。うち1台は大滝住職のものをお借りしています。そのパソコンも当社でメンテナンスしていたりします。機材などを撤収して帰るころ、外は暖かく快晴!まさにお彼岸という晴れ渡った天気でした。
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