そのSSD換装、ちょっと待って!

こんにちは、アビッツのチエです。
先週の金曜日に「電話で予約した〇〇ですけれども…」と、ノートパソコンをかかえたお客様が当社にいらっしゃいました。しかし事前に電話はいただいていません。どうやら、近くのパソコン修理屋さんと間違えて来社されたようでした。

そして今週の月曜日…

そのお客様が困り果てた様子で再び当社にいらっしゃいました。よくよくお話を聞くと、あの後ノートパソコンが起動できなくて困っていて他店に相談して持ち込んだようです。そして「HDDからSSDへ換装したら直るかもしれない」とすすめられ、それならばとそのまま依頼したそうです。しかしHDDからSSDにデータをコピーされただけで、パソコンは直ることなく起動できず…。さらに店主いわく「あとはメーカーに自分で問い合わせてください」と、無情にも突き放されてしまったと。

そのお店では元のHDDに戻してはくれなかったようで、このままではメーカー修理は受け付けてもらえません。どうしたら良いかわからず途方に暮れ、当社を頼ってこられたとのことでした。

6年ほど前に購入されたDell Vostro 15

さっそくお客様のパソコンの電源を入れてみると、Windowsの起動前にBitLocker認証の画面になってしまい先に進めなくなっている状態でした。しかしこれはWindows自体の問題で、SSD換装で直るものではないことは明らか。お客様がわからないのは仕方ないことですが、なぜそのお店ではSSDに換装をすすめたのでしょうか…。はなはだ疑問です。

電源を入れてすぐに、この画面が表示されました。本来であればここにBitLockerの回復キーを入力するのですが…。

BitLockerの回復キーと言ってもお客様はわかりません。幸いなことにマイクロソフトアカウントと紐づいていることから、回復キーをゲット。普通であれば、このキーを入力すればWindowsは起動しますが、「この回復キーでは解除できません」とエラーに。元々のHDDで起動して同じことをやると、回復キーが通ります。どうもSSDがおかしい。どうやってHDDからSSDに換装したのだろう…と、その不完全さをいろいろと疑ってしました。

パソコンの内部を確認すると、こちらのSSDが取り付けられていました。

他店で換装されたシリコンパワー社製の2.5インチSSD

有名なメーカー製ですが、転送速度が不安定でクセがあるものです(その分お安いのですが…)。実際にパフォーマンスを測定してみました。

SSDのベンチマークテスト結果。こちらが今回のシリコンパワー社製のSSD。大きなファイルを読み書きすると転送速度が急激に落ちたり…。
当社で換装に用いている2.5インチSSDのベンチマークテスト結果。ファイルの大きさにかかわらず、高い転送速度を発揮してくれます。

あまりSSDらしくない転送速度ですが、他のテストではデータはちゃんと読み書きできています。なので、HDDからSSDにちゃんとデータが移行されていないのが原因です。残念ながら、このSSDはBitLockerが解除できない限り使うことはできません。

ちなみに当社ではお客様のパソコンに搭載されているCPUとのバランスを考えたうえで、SSD換装をおすすめしております。しかし今回のお客様は、HDDよりも高速なSSDに換装しても、その効果があまり発揮できない懸念がありました。というのは、SSDで高速になった分、今度は逆にCPUの性能がボトルネックになるためです。

このパソコン。当社であれば、お客様が高速化のためにSSD換装をご希望だったとしても、よほど強いご要望がなければおすすめはしなかったでしょう。しかし今回はすでに新しいSSDをお持ちであり、これまでお使いのHDDの使用時間も約2万時間と長いため交換時期でもありました。そこで当社で改めてSSD換装をし直すことになりました。

無事にSSD換装を正常に終え、Windowsを最新のものにアップデートしてからお客様へノートパソコンをお渡ししました。お客様は他店の対応に怒りと呆れたご様子で(ここでは書けません)「最初から当社へ来れば良かったな」と後悔されつつも、とても喜んでいただけました。

最近、今回のようなケースで困っているお客様が多くなったように思えます。パソコンの修理や動作改善でお悩みの方は、まずは信頼と実績があるアビッツにご相談ください!

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